アンテナ

2024/05/22

144MHz用コリニアアレーアンテナ

元々は、YAGI派。YAGIであっても、0dBゲインの点を取れば実用範囲は結構幅は広い。あえてアンテナを回さなくても、というのが持論。

昨年のFD.奥武蔵から運用したのだが、そこで使ったX7000、意外と良かった。というより、スタックYAGIよりも、全然使いやすい。特に、奥武蔵は相手のいる場所が広範囲になるので、YAGIだと不便だ。無指向性のアンテナもいいなぁ、と感じた。

筑波からだと、ほぼ一方向でよいのでYAGIでもいいのだが、苦手バンド144MHzのテコ入れということで、コリニアアレーを作ることにした。X7000を買えばいいのだが、何せ高い。高価。4段のコリニアアレーでどれほどの物かわからないが、試しに使って見よう。長さは、手持の釣り竿の長さに合わせた。子供と行った釣りの名残だ。ちょっと足りないが、3.6mの竿で3.5m長のアンテナにして見た。

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竿の長さが足りないので、1mのVP管を足すことにして、実際にはパイプで地上高を稼ぐつもり。

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最終的に、マッチング回路を付加して取った特性。(トリマで調整。エポキシコーティング前)

実はオリジナルでは、給電部にオープンスタブ(というより、同軸ケーブルで作るコンデンサー)を使っているが、これを切り詰めても、リターンロスで10dBより稼ぐことが出来ない。バンド内で6-7dBぐらい。この時の最低点は148MHzとバンド外。

このスタブだけの調整でマッチングを取ることに無理があるようだ。これは1200MHz用のコリニアアレーでも経験している。周波数が低いこともあり、集中定数でマッチングを取ることにした。

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回路はLとCの逆L型。Lの方はコイルを巻いていたのだが、調整していくうちにインダクタンスが小さくなり、10mm程度の銅線になってしまった。マッチング回路を入れる前の給電点のインピーダンスは130オーム+16pF @144.6MHz(ちょっと怪しいですが)
Lは配線長を長くすることで実現。Cは最初、トリマーで調整。最適値は31pF。

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これを、固定コンデンサーに置き換える。10pFx3=29pF(実測値)この影響か、マッチングの最低点は146MHz付近と当初よりも少し高め。

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その後、エポキシでコーティング。回路にエポキシが直接触れないように、ビニールテープで覆った上で、コーティング。エレメントのつなぎ目もエポキシを充填。(こちらは、エレメントにエポキシが付着)

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見てくれが良くないので、自己融着テープで覆う。

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最終的な寸法、特性。エポキシでコーティングして、共振点が下がって、うまい具合に145.00MHzが最低点となった。ある程度、低下するとは思っていたが、偶然にもぴったしになったw。

アンテナを丸めて収納。

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基本的エレメント長は、「コーリニア製作マニュアルv1_4b.pdf」を参考にさせていただいた。

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2023/09/17

ダイポールアンテナ三昧 その2

昨日はQRPクラブの荒川都電貸し切りのイベント。1往復すると2時間もかかる。みんなでワイワイやっているうちに着いた。その後は秋葉原に場所を移して、超ロングラン宴会。5時間もやっていると流石に疲れる。が、楽しい時間はすぐに過ぎる。


8月はFDが終わって、AKCのハムフェアー向けのアンテナの内職に追われて、バタバタしているうちに、ハムフェアー本番。2日間にわたって飲んでいたような気がする。ああ、楽しかったねぇ~。KCJもハムフェアーと被ったので今回はパス。そうこうしているうちに、8月も終わり、9月も半ばを過ぎた。重い重い腰をあげて、ついにこれの調整をすることにした。

20,15,10mの3バンドのダイポールだ。以前、これは失敗している。互いのエレメントが干渉して思い通りに共振点が得られなかった。それで、トラップ式のダイポールを試した。これはこれで上手くいったのだが、やはり短縮しているのでバンド幅が取れない。CWだけなら問題はないだろう。もう一つ、かなり短縮が効いているので効率の低下も気になるところだ。

と言うことで、フルサイズのダイポールを試した。以前の失敗の原因はエレメント間隔にあるとふんだ。外観は良くないが、今回は十分に間隔を取って見た。心配だったのでシミュレーションしてみるのだが、これも中々上手くいかない。実際とは若干異なるが、このような形状でデータを入力するとシミュレーションできることがわかった。また、実際は逆V形状だがこの入力もややっこしいので諦めた(笑)。まあ、ここまでできれば上手くいくだろう。

3band_dipole

3band_dipole_data

ー・・・ー

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製作の方は随分前にできていたのだが、この猛暑。野外での調整が億劫になり、今日まで来てしまった。意を決して、調整に臨む。河原にでも行こうかと思ったが、この暑さじゃねえ。ちょっと場所が狭いのだか、庭に踏み板を置いてポールを立てて調整することにした。これでも、汗だくだ。nanoVNAを使って調整をする。今回は3バンドとも綺麗に共振点が出ている。あとは、長さを刻んで調整するだけだ。30分ほどで追い込むことができた。

最後に、IC-705を繋いでSWRを測って見た。こんな感じ。何とか使えそうだ。

14.0 1.0
14.1 1.0
14.2 1.3
14.3 1.5

21.0 1.3
21.1 1.3
21.2 1.3
21.3 1.3
21.4 1.3

28.0 1.5
28.2 1.1
28.4 1.2
28.6 1.7

ー・・・ー
【追記・備忘録】

セパレータの材料を記す。
光モール製の ホワイトカブセ2.7
これは1.8mの長さなので、60cmのセパレーターを3本とることができる。

下は、トンネル支柱 FRP支柱 グラスファイバーポール。給電部に近い1本のみ、これを切って添えている。これで、機械強度がアップする。切断は金鋸で可能だが、ガラス繊維が飛び散って、手に刺さってチクチクするので要注意。手袋をはめて加工するとよい。また、切断面はエポキシ接着剤で固めている。
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【追記・2023/10/11】
実践投入したこのアンテナの寸法と、微調整後の特性を記す。
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2023/07/16

2400MHz ループアンテナ

懸案の2400MHz帯のアンテナを作った。6Dでは念願の2.4Gにエントリーは出来たものの、結果は超々?ローカルの1局のみしか交信できなかった。短時間に何局も聞こえたのにこちらからは飛ばない。このバンドはWi-Fiなど強力な電波が飛び交う2次利用バンド。都心部では混信も多いのだろう。こちらから、強力な電波を送り込むしかない。コリニアアレーアンテナも作ったのだが、いまいちマッチングが取れない。コンテストには時間切れで間に合わず。と言うことで、懸案?のゲインのあるアンテナ作成になった訳だ。

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外観のベスト?ショット。1.2Gに比べるとループが小さい(当たり前だが・・)。1m弱のブームでもこんなにエレメントが並ぶ。ちゃんと動作すればビーム幅が狭いはずだ。ゲインが期待できるが、使っていないので何とも言えない。実践投入で試して見たい。

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最終形の給電部の様子。ラジエターは3mm径の銅線。プリント板のセパレーターで保持している。ショートスタブは適当だが、幅4.5、長さ6.0mmぐらい。無いよりこれがあった方がマッチングは取りやすい。綺麗なものに取り換えようと思ったが、面倒くさくなって調整したときのまま💦

最後、共振点が低くてラジエター長を短くしてみたものの、どうしても上がらないので禁断の一手、前後のエレメント位置をいじった。結局、反射器Rfを5mm後ろへ下げた。パターンにも影響があるはずだが仕方がない。1.2Gの時はこの反射器の径を小さくしてマッチングを取った経緯がある。今回はこの手法では上手くいかなかった。

本当はマッチングよりもパターンを見ながら調整しなければいけないのだが、測定も簡単ではないし、そこそこ使えるのではないかと言うことで簡易?な手法で妥協している。

給電ケーブルは、RG-142のテフロンケーブルを70cm。少し長いが、これでトランスバータに直結できるので接続のロスはない。このくらいで実用になると思う(信じたい)。

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ラボ?での測定の様子。相変わらず、雑然としているなぁ・・・・・

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追い込んだ、リターンロス。25dB取れているので十分だ。狙う周波数は2427MHz。

各エレメントの寸法を残しておく。ブームは12x12角のアルミ。手持ちの物が90cmだったので、並ぶだけエレメントを置いた。22eleと言うことになるのだろうか。ラジエター以外のエレメントは1mm厚のアルミ板を10mm幅に切断して使用。

実は最初は1.2GのYAGIと同じく4mm径の園芸用のアルミ線でやったのだが、接続部分を重ねて止めるだけ、でやって見た。何とかマッチングは取れそうだったが、ループ径の精度があまりにも悪いので所定の特性を出せる自信がなくなった。1.2Gの八木(ループではない)をやった時は、エレメントの長さが0.1mm単位で追い込んだ。かなりシビア。それに比べるとループ八木はブロードで作りやすい気がする。

気を取り直して、アルミ板を1cm幅でシコシコ切断した。1.2Gの時もこれをやろうと思ったのだが、周波数が低いので長いエレメントが必要になる。これを手加工で帯材にするのは無理と諦めた。2.4Gだと15cm未満なのでこれなら手でも切れる。結構手が痛くなったが何とか20本余り作ることができた。シャーリングがあればバサバサ切ることができるのだが、悲しいかなカッターで傷を入れて一枚づつ折ってく作業・・・・。

このループ八木のオリジナルデータは、JH3RKBさんのサイト。出典は書いていないがマキのアンテナなのか?

http://jh3rkb.html.xdomain.jp/kikikousei/2400loop/2400loop.htm

オリジナルと異なる部分を赤で付記した。

2400_loopyagi_data

ー・・・ー

さて、何とかマッチングを取ったものの、ビームアンテナとして機能しているだろうか。普段は相手がいないので、実戦で試すしかない。コンテストになるとあんなにたくさん聞こえる不思議なバンドだ。

上手くできていることを期待したい(神頼み?)。

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2023/06/04

ダイポールアンテナ三昧

今頃なんだけど。ALLJAの宿題と言うか、HF帯のアンテナの見直しをやっていた。

①3.5/7MHzデュアルバンドダイポール

これまでは、3.5/7/14の3バンドを1本の同軸で給電していた。2倍の周波数関係なので、上手くいくと思っていたのだが、エレメント間が干渉する。エレメントとの間隔が狭いせいもあるのかもしれない。特に14は別方向に引っ張らないとマッチングがとりづらい。

もう1点は、3.5のエレメント材がモジュラーケーブル(4芯)を使っているので重いし受風面積も大きい。(300m巻きを300円で手に入れた)これを、グラスのロッドで上げるとステーを取るも、しなってしまう。エレメントも多くて、上げるのに時間がかかってしまう。この辺りを解決するために、シンプルにデュアルバンドにして、得意?の0.9mmの園芸用の銅線を使うことにした。この銅線は安価なので色々なアンテナに使っているのだが、最近は値段が上がってひところの倍近くする。まあ、みんな上がっているから仕方がないね。

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アンテナの調整風景。近所の江戸川の土手まで出かけた。昨日までの嵐は落ち着いて、日差しも結構あった。また日に焼けてしまったw。

写真はハイバンドのアンテナを調整しているところ。このアンテナの調整風景の写真は撮り忘れました。。

このデュアルバンダーは素直で調整しやすいい。吸い込みもいい感じだ。これならば、移動でも簡単に上げられる(ことを期待したい)。

 

②14/21/28MHzマルチバンドダイポール

14をどうするか、悩んだあげく21Mのトラップを追加してトライバンダーとした。21M用でも短縮しているので、増して14Mとなると短縮率も大きくなる。果たして、使い物になるだろうか。最悪、14Mだけ単独のダイポールにする手もあるので、取り合えず作ってみた。実用になるかは使って見ないとわからない。

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これまで使っていたものに、右の21M用のトラップを作って追加した。やはり帯域も狭い。CWだけならば問題はなさそう。果たして、これだけ短縮しているアンテナが使い物になるだろうか。

ー・・・-

備忘録として、寸法とSWRの実測値を残しておく。

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ー・・・-

調整に要した時間はこの2本で3時間余り。日も差してくるので日焼けもした。エレメントの長さを調整するために、あちらに行ったり、こちらに来たりとかなりの運動量。アンテナの調整が出来たら運用でもするかと思ったが、そんな元気もなくスゴスゴと返ってきた。

nanoVNAが無ければ調整にはこの何倍もかかったであろう。VNAを使いこなすには至っていないが、外へでも持ち出すことができるVNAはありがたいし、何倍にも使い道があると思う。

とにかく、完成して、ヨカッタ、ヨカッタ。

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2022/12/25

短縮Vダイポールアンテナを試して見る

先日、JA6IRK/1岩永さんからお借りしている短縮Vダイポールアンテナの試作品を試して見た。このアンテナはSOTAなどリュックサックにアンテナを入れて移動運用をすることをターゲットに開発されている。固定で使うには少し物足りないかもしれないが、回転半径約1m(エレメント長1.5m)の実力はということに興味を惹かれて試して見た。

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設置環境は2階のベランダにグラスポールで3mぐらい持ち上げた。給電点が屋根の少し上に出るぐらい、地上高で7mぐらいだと思う。この屋根には、屋根馬で7MHzリニアローディングダイポールアンテナ、ショートブームの3エレトライバンダーが乗っている。このアンテナとSWで切替て、Vダイポールアンテナを比較してみた。地上高も違うし、形式も違うから正しい比較はできないが、これらのアンテナは普段から使いこなしているので、Vダイポールアンテナがどの程度使えるか、肌感覚としてよくわかると思う。

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Vdp_kit

試作品のキットの全容。これはフルセットだが、自分のお気に入りのバンドのコイルとマッチングコンデンサーを購入して使うことを想定している。アルミパイプの主エレメントは30cm程度の物を2本つなぐ。これだと、楽にザックの中に入る。これ2本と先端のロッドアンテナをつなぐと、片側1.5mとなり、50MHzのフルサイズダイポールになる。

耐電力は20W。内蔵のバランと短縮コイルの発熱による制限とのこと。移動で使うFT-818やIC-705ならせいぜい10Wだから問題はない。

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実際に使用してみた。

7MHzは21時ごろから、ちょっと時間が遅すぎたか。BYと数局交信できた。こちらは10W。感覚的にはリニアローディングダイポールとの差は-6dB程度か。地上高の差もあるので、あくまで感覚だが。実際に交信すると相手とは15~20dBの差がある。パワーの差が10dBはあるから妥当なところ。200Wで運用しても10dBの差はざらだから、こんな物だろう。片側1.5m程度のエレメント長で上出来だ。本当の所、使い物になるか半信半疑だったが、意外と使えるなぁ、というのが正直な感想だ。ベランダにちょこっと出せばいいし、目立たないのが良い。これなら、移動だけではなく、アパマンでもバンドを覗くには最適だと思う。

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比較試験は、毎シーケンスごとにアンテナを切り替える。コンディションによる変動が大きいが、大雑把に見て6dB程度の差だと思う。

Pskr

試験した時間が遅かったのか、Wには拾ってもらえなかった。BYが数局とVR2と交信ができた。

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翌日の朝、21MHzを試して見た。こちらも、時間はちょっと遅めの8時頃。

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JAとYBと交信が出来た。やはりこちらは10W。Wは時間が遅すぎたか、わずかにビックガンに捕捉されただけ。こちらは、コンディション頼みなので、開ければ問題なくできるはずだ。

ここでも、感覚的には、3エレトライバンダーとは6dBぐらいの差か。パワーの差もあって、0dBかプラスの局でないと中々拾ってもらえない。このバンドもDXは100W以上の局がほとんどだから。ただ、このバンドは開けさえすれば、飛ぶはず。IRKさんは南米ともできている。

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最後に、バンドの帯域特性を残しておく。あくまで、私の設置環境だし、アンテナも試作品だ。特に記載が無いものは、ロッドアンテナを最長に伸ばした状態だ。

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10mhz

14MHz、写真を撮り忘れましたが、バンド内に共振点があります。

18mhz_1cm

18MHzは先端を両端1cmずつ短くして、共振点をバンド内に入れた。

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21MHzは先端を両端2.5cmずつ短くして、共振点をバンド内に入れた。

24mhz_vna

24MHzは残念ながら、バンド外。エレメント長が2cm程足りない。コイルをもう1ターン巻くと短くなりすぎるんだろうな。こうなっても、ロッドアンテナ長さを調整すれば大丈夫なはず。

28mhz

50mhz

こちらは、フルサイズなので帯域は広い。

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正直、どこまで使えるか、半信半疑だったが、このくらい使えれば十分楽しめると思う。このアンテナに限らないが、自分の環境やパワーを認識したうえで、トライしてみると楽しい。HFのDXのディジタルはハイパワーの局も多いのも事実で、相手の受信能力?を試すのも楽しいかも。

JA6IRK/1岩永さんのVダイポールのサイトは、こちら

 

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2022/05/09

70cm/2mデュアルバンドGP

屋根裏で現用のアンテナをもう少しちゃんと作ってみた。用途はモバイル?用。車にアンテナ基台をつけてみた。運転しながらQSOするつもりはないが、高台に車を止めて簡単に運用ができないかと思ったからだ。電源の引き込みとアンテナを簡単に接続できればいいと思う。

長いモービルホイップを買ってしまえば簡単なのだが、意外と高価だ。それではということで作ることにした。材料はすべてありあわせのもの。モバイルの経験はないが、アース云々よりも給電点の高さがものをいうと思う。電圧給電にするもの見かけ上、給電点を持ち上げる手法だと思う。

なので、今回はグラスロッドで嵩上げをして、その先にアンテナを付けることにした。これなら、グランドを気にせず安定するはずだ。

オリジナルは、JG3ADQ永井さんの作だ。

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最終的にベランダでマッチングの具合を確認した。室内で確認した結果と大して変わらないのが嬉しい。高い周波数は、これが楽だ。

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給電部。ボールペンの使い古しを使う。6角だが径は約8mm。コイルを縮めれば、周波数が下がる。エレメント長で大体を調整し、コイル伸ばしたり縮めたりして共振点を調整する。

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ベースボールのエレメントとラジアルの取付部。組み立ての順序をよく考えないと組み上がらない。グラスファイバーの切り裂いた部分から、同軸の芯線をハンダ付する。ここが、最もトリッキー。70cm帯を考えると、ここはもう少しスマートに接続したいところだ。こんな形でお茶を濁す。後は2液性のエポキシで固める。今回は、いろいろな部分を小分けにして、何度もエポキシを起こして少しづつ組み立てていく。この段取りをよく考えないといけない。コイル部もよく頭でシミュレーションしておく。

 

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銅製のテープを使ってアースの接続を保つ。

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延長棒?の根っこ。UHFコネクターの外形にピッタリと合うグラスファイバーパイプを探す。ついこないだまでロケットに置いてあったジャンク品だ。肉厚だから重量がある。内部のケーブルも5D-2Vだから、これもあって全体で結構な重量になった。これをつけたまま走行するのは強度的に無理だと思う。折れて、飛んで行きそう。

 

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上部の金色?に見える部分は、ポリミドテープ。径を合わせるために巻いて調整して、エポキシで固めていく。

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最後、調整が終わったところで、ヒシチューブをかけておいた。上部と下部をゴム系ボンドで、一応、防水しておく。

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寸法を残しておく。接続部をコネクターにしたためか、エレメント自体はオリジナルより短い。2mも共振点が低かったので、ラジアルの寸法を調整して追い込んだ。

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Swr_2m

VNAはこういった調整には欠かせない。リターンロスは校正していないので、いい加減。共振点をこれで求める。

Rig端のSWRでは2mはバンド全域でほとんど戻りがない。70cmは低域で1.5程度、少し上に共振点がある。サテライト用にはバッチリ。

これが連休最後の日の工作。今度の休みに、車に実際に付けて試し打ちするか。

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2021/10/07

2m GP antenna for satellite

相変わらずの、思いつき10分工作だ。自宅のサテライト用アンテナは、4ele水平YAGI針金GP(垂直偏波)を屋根裏に仕込んで、切り替えながら使っている。ゲインよりも偏波面の回転のほうが受信性能に大きく影響する。

移動用にYAGIアンテナは作った。移動地だとノイズが少なくて水平偏波のみでも比較的よく聞こえる。だが、垂直のアンテナがもう一本あると楽に違いない。ということで、10分間のいい加減?工作で作ってみた。

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アローライン風のGPだ。nanoVNAでエレメントを刻んで調整。バンド内のSWRはほぼフラットで1.1程度(Rig内臓のSWRメータ読み。ほんとかいね)

備忘録

ラジエター:48.8cm(2mm径ブレスの棒)

グラウンドプレーン:48.8cm(2mm径アルミの針金)

グランドプレーンの開き角度:エレメント先端の間隔で約35cmぐらい

 

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2021/07/24

430MHz 8eleYAGI

430MHzの八木を作った。サテライトの移動用にも使うことができる。安直に参考のデータを基にシミュレーションして製作にかかった。お題は、ブーム長が1m。144MHzの4eleのときは、苦労した。微妙に1mは難しい。今回は、楽に寸法を決めることが出来た。

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まあ、普通のスタイルだ。マッチングは、どうにでもなるガンママッチを選ぶ。

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固定キャパシターでも良いのだが、同軸構造のCにしてみた。古くは、AEAやFSがやっていたパーフェクトクワッドに使われていた。絶縁物はポリエチレンだったと思うが、ネオン看板の配線用のケーブルを使っていた。多分、同軸ケーブルよりも、芯線が太いのではないだろうか。これだと、容量が稼げる。

同軸ケーブルを使うと1cm当たり1pFと容量が稼げないので、使いにくい。今回使ったのは、テフロンチューブ。6mm径のガンママッチロッドの内径は4mm。4mm径のテフロンチューブに、3mm径の真鍮ロッドで容量を稼ぐ。実測から1.51cmで5pFを得る。多分、KW入れても大丈夫だと思うが、エキサイターが無いので、試験は出来ず。50Wではなんとも無い。余裕だ。

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真鍮のロッドはこのように実装する。外皮のガンママッチロッドの位置をずらすことで、容量を可変できる。ロッドの長さは20mm。重なり部分で15mm。約5pF。0.5mmぐらいずらして、調整をする。やってみると意外と簡単。

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レフレクターの寸法が計算値と、若干異なる。多分、これに近い、特性は得られていると思う。やはり430MHzは加工精度が必要。0.1mmが出ればいいが、少なくとも0.5mmは必要だ。

実はラジエターを削りすぎて作り直した。現状では、

RD=330.0mm(現時点の最終)

430.0MHz VSWR=2.2

433.0MHz VSWR=1.5

435.0MHz VSWR=1.4

 

RD=327.0mm(削りすぎ)

430.0MHz VSWR=2.7

433.0MHz VSWR=1.9

435.0MHz VSWR=1.5

ザクッと3mmも削ったのが失敗。やはり、1mm単位の調整が必要と反省(汗。

最低値がVSWR1.4とちょっと高め。時間があれば追い込めると思う。

ー・・・ー

備忘録、データを残しておく。

430mhz_8eleyagi_sumpou

ブームは12mm角。10mm角で十分だが、勘違いしてこれを購入してしまう。丈夫でいいのだが。

エレメントは、6mm径。1mm厚と0.5mm厚が混在。ホームセンターで容易に手に入るのは1mm厚。強度的にも1mm厚のほうが安心。

ガンママッチのショートバーは1mm厚のアルミ板。幅は8mm。寸法はブーム中心から、ショートバー端面まで。

ー・・・ー

今日は実運用までには至らなかった。少し使い込んでみないと特性はわからない。久しぶりのアルミ工作、楽しかったw。

ー・・・ー

参考文献:アマチュアのVUHF技術

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2021/04/09

【追試】40m/6mダイポールアンテナ(シミュレーションお遊び)

※追試しました。間隔が重要な要素だとわかりました。

唯一無いのが、6m用のアンテナ。暖かくなったので、何とかしなければ、と焦るばかり。クリエートのRDのように、6m用のエレメントをそばに置くことで、何とか共振しないかとシミュレーションしてみた。

結果は、こんな感じになった。

40_6_dipole

わかりにくいので、手書きで中心部を拡大して描いてみた。

Img_2411

40mのパターンはほとんど影響がない。

40_6_dipole_patt40

これは、6m。これは???

40_6_dipole_patt6

40_6_dipole_data

40m用のダイポールアンテナに、1cm(10cmのつもりだったが、0.01mだから、1cm。間違えました)の間隔を置いて、6mのエレメントを沿わす(つながってはいない)と、そのエレメントに誘起されて共振する。

ただ、給電点のインピーダンスが下がってしまうので、何らかの整合器が必要になってしまう。整合器を置くのでは面白くない。ここで、ちょっと頭を捻って、オフセット給電にすることで給電インピーダンスを持ち上げることができた。リアクタンス部はエレメント長でキャンセルすることができる。

パターンの方は、40mでは影響はないが、6mの方は、長いエレメントの方に引っ張られる。まあ、昔から40m用のダイポールアンテナは6mでも使える、ことになっている。SWRも3以下には収まっている。

実際、このアンテナにするかは、わからないが、シミュレーションでのお遊び。マッチングだけならば、この様な方法でも何とかなりそうだ。飛ぶかどうかはわからないけど。。

 

【追試】============================

付加した6m用のエレメント、10cm間隔のつもりだったが、勘違いして1cmでシミュレーションしてしまった。その結果、給電インピーダンスが低下してしまい、オフセット給電で逃げた。これはこれで、面白いと思うのだが・・・。

間隔を10cmにして追試をしてみた。間隔によって、給電インピーダンスが面白いように変化させることがわかった。10cmでは高すぎで、1cmでは低すぎる。ラフな調整だが、5cmでちょうど良いくらいになった。リアクタンス部分は、6m用のエレメント長で調整ができる。

これならば、簡単に調整できそうだ。もちろん、オフセット給電にする必要もない。

40_6_dipole1_patt

40_6_dipole1

40_6_dipole1_curr

電流の分布を眺めていると、40m用のダイポールアンテナに高調波で乗せている感じだ。指向性もそれを表している。6m用のエレメントを接近させることで、給電部付近の電流を操作して、位相を合わせ込んでいる感じだ。マッチングを取るためであって、電波の輻射自体は40m用のダイポールアンテナを高調波で励振しているように思う。

さて、このアンテナをなんと名付けるか?。「平行励振型デュアルバンド・ダイポールアンテナ」って、意味わかんねぇ。すでに名前があるかもしれない・・・。

 

 

 

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2020/12/10

160m フルサイズ・ロングワイヤー・アンテナ

備忘録を残しておく。

明日はARRLの160mコンテストだという。このコンテスト自体は、あまり興味はないが、ひょっとしてWが聞こえるかも、あわよくば交信できるかもと、欲を出してみた。

昨シーズンはセンターローディングの15m長程のGPを試して見たが、40mの長さに対してはあまりにも短すぎる。髭にもならない、トゲぐらいの長さしかない。これでは飛ぶはずがないと再認識したところで、昨シーズンはおしまい。

ネットには、短縮せずにとにかくフルサイズのラジエターを用いるといいらしい、と。原典は逆Lをイメージしているが、簡単にはいかないので、取り合えず頂点だけを持ち上げた逆V?型だが試して見た。

ラジアルは、フルサイズを3本。とぐろを巻くようではあるが張ってみた。長さが短いのは、モジュラーケーブルを使用したためか、誘電率の影響であろう、この長さでダイポールアンテナとして成立している(大量にあったので使用しただけで、最適ではない。廃品利用)。

結果的には、ラジエターが長めになったところでマッチングが取れた。オフセット給電になっているのかもしれない。給電点のインピーダンスが上がってマッチングが取れたのかもしれない。この辺りは、深く追求できていない。

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-・・・-

釣果の方は、

160mコンテストの方は、Wは聞こえず。呼ぶJAは聞こえるが、相手は聞こえない。こちらのノイズレベルが高いからかもしれないが。コンディションも良くないらしい。こちらは、深い追いをせず、おしまい。

FT8では、夜にUA4をget。相手がちょうどグレーラインに掛かった瞬間にできた。夜は早めに寝て、翌朝(月曜日)に早起き。EUがちらほら見える。JAのモンスターたちには、FやDLが見えるらしい。こちらは、さっぱりだ。SVやIも瞬間見えたが、呼ぶほどには上がってこない。

Ua4hbw_160m2

S55oo

S5を見つけて、しつこく呼ぶ。-9ぐらいまで上がってきて、何とか-24で応答があったが、RRが見えず。もうちょっとだった、現実は厳しい。何局かEUのUAとできたが、ここまで。早々に、アンテナを撤去。月曜だから、一応お仕事に。テレワークだが、眠かった。。

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昨シーズンの2020 WW 160 CW Contest顛末は、こちら

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