電子工作 ラジオ

2014/11/09

DSP FM Radio EN803 その3

段々、おかしくなってきた。1chipで簡単にFMラジオができることがいいと思って始めたのに、どんどん複雑になっていく。本末転倒だ。

感度を追求してプリアンプを入れることにした。電圧が低いのでFETが良かろうということで2SK241を選んだ。回路的にはバイアスなしで、出力側もチョークを介して直結だ。

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色々と部品が追加になっている。フロントのコイルはコア入りにしてみた。10Kボビンに使用されていたものだ。5T+22pFで80MHzに共振している。(回路図の39pFは誤り)
出力側はタップダウン等最適化を図って見る必要があるかもしれない。
消費電流は2mA+1mA(LED分)である。ゲインは10dB強ぐらいだ。


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回路図Rev3「EN803_sch_Rev3.xps」をダウンロード

回路図で気づいた点は、
①FMIN端子のL3を入れないと、PD解除時のPLLロックまでに時間が掛かる。(これを入れても早くはないが・・)
②ICの電源の100uFを入れないと、スライドSWのON時にリセット?が走り選局がずれる。


ちなみに、今回はプリアンプとLEDの電源はスライドSWでON。ICのONはPD解除SWとなっている。(スマートではない!)何か方策はないかと、思案したくなる。増々、回路が複雑化しそうだ。

さて、今回改めて性能の良さに感心するBK1088のDSPラジオ。感度が良いことと、周波数を設定して受信できるので弱い局でも待受受信ができる。このラジオをベースにして、BCLをしてみた。
Dscf0803

結果は、EN803でも局の存在は同等に確認できるところまで来た。感度はBK1088の方がやや上だ。
受信できた局の一覧は、
78.0MHz bay-FM
78.6MHz FM富士
79.5MHz NACK5
80.0MHz 東京FM
80.7MHz NHK千葉
81.3MHz J-WAVE
82.5MHz NHK東京
83.2MHz NHK水戸
84.7MHz FM横浜
85.1MHz NHKさいたま
86.3MHz FMぐんま

(杉戸町@2階の工作室にて)

EN803は周波数が読めないので、BK1088で放送の内容を聞きながら、ひとつづつスキャンしながら確認した。スキャンに引っかからず、何度もやり直して受信できた局もある。
今回のDX?は78.6MHzのFM富士。リクエスト先を音声で確認したので間違いはない。富士吉田市の300Wの局らしい。他のKW局を抑えてのDX局になる。標高が高く見通しがいいのだろう。この地は冬になると富士山がよく見える。
周波数が読めないため、感度が良くなった分、いつもよく聞いているNACK5やJ-WAVEを選局するのが面倒になった。(弱い局が引っかかって何度もスキャンが必要になる)
もう一つ、選局キーup、downキーはループになっている。上を押し続けると、また下の局からスキャンされていく。キーを一個減らすことができるが、たくさん局が引っかかると、自分がどこにいるのかわからなくなってしまう。NHKとかは同じ内容を送信しているので、相対的に位置を知ろうとするが、段々混乱してわからなくなってしまう。

この石は簡単にそこそこの性能を得られることを狙うべきだろう。Rev2あたりのシンプルな回路がバランス的に最もいい。(何の事はない、メーカ推奨の回路だ)


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2014/11/08

DSP FM Radio EN803 その2

感度がイマイチだ。会社の行帰りを使ってフィールドトライアルを行ってみた。aitendoオリジナルの回路よりはずいぶんと感度upしているが、まだ十分ではない。2階の工作室?で実験していると東京FMが受信できる。色々やってみると、受信できる時よりも受信できない方が多い。受信できないというのはサーチで引っかからない状態だ。キャッチできれば、ノイズ混じりで受信できるものの、以前作ったBK1088に比べると、まだまだ劣る。
また、電車の中で使うと全く受信できない。元々FM放送は入りにくい。電車の箱が電波を遮断するのと、インバータ制御のモータ雑音によりマスクされてしまうことが原因だ。

色々突っついてみて改善したのが、ANTコイルの同調点だ。オリジナル回路は0.1uH+18pFで120MHz付近の共振になっている(計算値)。私の作では、0.1uH相当+20pFで実測値約100MHzであった。20pFを39pFに変更することで、約80MHzの共振点に下げた。この効果は絶大で、感度がかなりアップした。やはりきちんとチューンする必要がある。
もう一つ、イヤフォンコードANTの反対側だ。高周波的に戻り先がアースされていることによりANT効果が落ちているのではないかと考えた。オリジナル回路ではフェライトビーズにより、インピーダンスを持ち上げている。ここでは積極的にインダクター47uHを挿入してみた。効果は若干改善される程度で、正しい評価が難しい。ないよりは良いだろうということで挿入してある。

さらに外付けXtalにしてみた。内蔵のRC相当の発振器よりはマシだと思って32.768KHzの水晶にしてみたが、何が良くなるのか体感できていない。温度特性なのか、限界感度なのか、何らしかの効能があるとは思うのだが、よくわからない。取り敢えず付けたままにしてある。

これで、通勤電車でやってみると全く受信できなかったものがノイズ混じりではあるが受信できるようになった。かなり実用域に近づいた。

感度改善ではないが、もう一つ気になっていた点がある。電源SWだ。電源を入れるたびに、選局と音量調整が初期化されて、やり直さないといけない。これではラジオとしてかなり使いづらい。音量が中から始まるため、ON時にかなり大きな雑音を聴くことになり、びっくりして慌てて音量を下げることになる。何ともイケていない。
同じaitendoのRTC6215Nを見ていて、この石でもPWT端子を制御することで、選局と音量の最終値を保持してパワーダウンモードに移行するのではないかと気づいた。早速やってみると、予想が的中した。うまく保持してくれる。同じところから再開する。ちょっと気になるのはON時にPLLがロックするまで時間がかかるのか、ノイズが発生すること。品位がないが仕方がない。これで、使い勝手はかなり向上する。
ちなみにPD時の消費電流は60uAぐらい(ON時は20mA)。このくらいなら我慢できる。PD時はXtalの発振も停止している。

改造後の回路図「EN803_sch_Rev2.xps」をダウンロード

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2014/11/02

DSP FM Radio EN803

簡単にできるFMラジオを作ってみた。

aitendoでタダで貰える基板。これはEN803用に違いないと勝手に決め込んで、1枚貰ってきた。調べると、aitendoでもこれを使った部品一式も売っている。
調べてみて、EN803とBK1079が同じ(どちらかがセカンドソース)であることを知る。

相変わらずaitendoのキットは怪しい。パターンカットの画像があるだけ、マシだがこれも疑ってかかる。回路図を描いてみた。KiCADだ。コンポーネントを作る練習だ。
「EN803_sch.xps」をダウンロード

オリジナルの回路では感度が悪い。色々やって、イヤホンのアース側をアンテナにした。直接接続しているが、本当は静電気の考慮が必要かもしれない。
感度はすこぶる良くなって、ここ埼玉の東の端では、ミニコンポでも入りづらい東京FMも聴こえる。ただし、選局はスキャンで行うので、引っかからずに次の局に飛ばされてしまうことがある。

電源ON時にRESET?がかからないことがある。このためか、RESET端子が出ている。電源を入れ直すことで回避している。(妥協だが)
アンテナにある共振器はトラップコイルのようなものか??。共振点は105MHzであった。
消費電流は20mAちょっとだ。LEDの回路を書き忘れた。赤色LEDに620オームを接続している。1mA弱流れている。電源は単4電池2本を電池ケースと基板背面に両面テープで貼り付けてある。
音量は十分すぎる。100オームを入れてあるがもっと大きくてもいい。電源ON時に音量の中点?から始まるので、大きくてちょっとびっくりする。

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参考までにaitendoのサイトから落としてきた画像を貼っておく。パターン図と改造箇所が記載されている。
Bk1079pcb

Bk1079short2

Bk1079short

連休中の電子工作で、ゲルマラジオ感覚の製作だ。ハンダ付けは楽しい。


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2014/03/21

AM変調2

さらに、AM変調をいじってみる。理想的なAM変調とはどのようなものだろうか。AM変調ができる、と書いてあるICを使って、理想回路にどのくらい近いかは分からないが、できると書いてあるからには、そこそこの特性が出るものと思い、試してみることにした。

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ICは古典的なMC1496。SSBのバランスドモジュレータに使う石だ。バイアス関係の外付け抵抗が多いことから、敬遠されがちだが、色々なアプリケーションに使うことができる。

バイアス抵抗の意味を理解するために、内部回路の周りに、抵抗を書き込んでみた。この方が、分かりやすい。
DIPタイプのパッケージのものを使ったが、どうも部品レイアウトがうまくいかない。バイアス抵抗とpinの出方が最適化されていない。出力pinは6と12pinと離れていて、バランスドタイプで使用するには使いづらいのではないだろうか。
Mc1496_am
(VRはどちらかに、回しきっておく。そうしないと、キャリアが出てこない)


約25%変調時
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約72%変調時
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約100%変調時
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過変調時
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ちなみに、名誉挽回?のため、SG(HP8656B)をもう一度。
オシロの表示から、ほぼ100%と思われるが、この時のSGの変調度指示は91%となっている。
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考察
1)MC1496はバランスドタイプのため、2次、4次、6次・・・といった偶数次の歪はほとんど見えないくらいに抑えられている。(SGの方は、バランスドタイプではないのか、偶数次の歪みも見える)
2次歪とか帯域内に落ち込む歪の観点からも、バランスドタイプは有利だ。

2)MC1496は過変調になっても、意外と歪まない?!。ただし、偶数次数の歪みが増加してくる。

測定の条件
Carrierは60mV(rms) SGより供給。
AF信号は、975mV(p-p)ファンクション・ジェネレータより供給。(値はほぼ100%変調時)
周波数は約1KHz(実際はもうすこし、低め?)

SGもMC1496もこのくらい綺麗に変調できればいいのだろうと、納得した。前の記事の回路では、ここまで綺麗には変調をかけることができない。変調度を増そうとすると、サイドバンドが広がってしまう。スプラッターをまき散らすことになる。
7MHzあたりのAMで綺麗な変調を掛けている方は、こんな回路を使っているのであろうか。これに500Wのリニアをつないで、100Wぐらいで使っている分には綺麗な電波が出るのだろう。いずれにしてもAMはエコではない。かなり大きなリソースを必要とする。これも、先人たちはとっくに知っていたことであろう。自分で見てみて、初めて分かった気になった。

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2014/03/15

AM変調

AM変調を実験している。RF出力は10mWにも満たない。これに、どうやって、変調をかけるか、やってみた。歪みなく、かつ深い変調をかけるのは難しい。

まずは、自作。
Dscf0484

こちらは、SG。
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スペクトラム
自作。変調度を上げると、3次歪みが増加してくる。帯域が広がってしまう。このくらいでも、100%変調になっていない。
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SG。3次歪みが見えるが、上と比べると、レベルが低い。99%変調でこのくらいなのは、立派?!
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「自作」の回路はは、3Vのコレクター、ベース同時変調(トランス+中点からベース)。
「SG」はHP8656B。1KHz99%変調時。

AM変調も奥が深い。変調度を上げて、かつ歪まないようにするには、リミッティングアンプも必要となろう。昔ならプレート・スクリーングリッド同時変調が最高なのだろう。リニアアンプ方式でも可能だろうが、振幅がこれだけ変化すると、求められるリニアリティーも厳しくなる。

AM変調は、研究がしつくされているだろうが、自分で実際に見てしまうと、なんとも悩ましいことだ。簡便な回路でちょこっと仕上げるのは難しい。

(追記 2014/3/16)=====================
画像のピントが甘かったので、再撮影して差換えました。
まだ映り込みとかがあって、もう少し撮影環境を整える必要がありそうです。

(追記 2014/3/21)=====================
備忘録として、回路図もアップしておきます。
回路、定数は最適値となるところまで検討されていません。
50m_amtx


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2013/09/08

DSPラジオ

aitendoのDSPラジオを動かしてみた。数ヶ月前に入手していたが、今日までそのままになっていた。

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まずは、オリジナル通りに接続してみた。外付けのampをつなぐと、いい音で聞こえる。驚いとことに、非常に高感度だ。当地(埼玉杉戸町)では、ラジオ日本は弱くて入りにくいのだが、しっかりと聞こえる。自作の6石スーパーでは聞こえない。FMもアンテナ無しでもそこそこ聞くことができた。

このチップは単体でもスピーカーを鳴らすことができる。ネットで検索すると、皆さんが色々実験されている。(トラブルシューター
BTL接続すれば、さらに大きな音量が得られるようだ。ここでは、Rchの100Ωを削除して、470uFを追加した。ミニコンポについていた高効率のスピーカをガンガン鳴らしている。電源は3V。最低で1.8Vぐらいまで動くようだ。スピーカーを駆動して40mA@3.0V位だ。

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改造の様子。写真には写っていないが、100ΩがついていたランドとRch端子間をジャンパーした。470uFはモジュール外に付けた。

備忘録として回路図のメモを残しておく。
Dsp_akc6952

さて、電子工作に復帰してから、ラジオはメインテーマの一つであった。そのラジオを並べてみた。
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左上から、2球スーパー2号機2球スーパ
左下から、6石相当トランジスターラジオ、今回のDSPラジオ、複同調ストレートラジオ
手前、2石レフレックスラジオ(国際ラジオ)SDR

写真には写っていないが、6石TRラジオキット、古い真空管式5球スパーのレストアかなりやQこんなのも、やった。

ラジオは、少年の頃から興味の対象だったが、昔は作るとサッパリ音がならなかったり、ピーピーと発振してしまったり手こずった記憶が焼き付いている。それが、測定器など環境がそろうと、かなりうまく出来る様になりたのしい。しかし、DSPラジオのように、こんなに簡単に高性能のラジオができるようになると、興味が薄れてしまう。ちょっと。手こずるぐらいでちょうどよい。DSPのプログラムとなるとハードルが高い。PICのプログラムが今のところ限界だ。どこまで、できるかわからないが、牛歩の様に少しづつ前進。

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2013/08/24

SDR

SDRをやることになった。SDRなんて!、と思っていたのだが、1000円以下でできると知って、やらない手はないと早速やってみた。aitendoで手に入る。メーカや外観は色々あるようだが、チップセットが同じであれば。どれも似たり寄ったり、と言ってもそこそこ高性能のようだ。

手に入れたのは、DVB-T+DAB+FM(ANT、リモコン付き)999円と、R820T-W(リモコン付き)777円。チップセットはR820TとRTL2832Uで、ドラーバーはzadig。アプリはとりあえず、SDR#(Sharp)。

この辺りは、「KG-ACARS HFDL VDL MCAに感謝 受信方法 受信記録のブログ」に詳しく書いてある。リンク集もあるので、参考になる。

Dscf0171

早速、バラバラにしてみた。このタイプは、小型だ。
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ヨーロッパ?のTV用のコネクターが付いているが、ルータで削って外した。ハンダゴテでも外れるだろうが、大変そうなので、これでやってみた。
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100MHzでSSGをつないで感度を測ってみた。このSGの最小出力-127dBmでも、聞こえていた。さらにATTで10dB絞ってみた。この辺りが限界か?それにしても、高感度である。
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さて、ここで手に入れたキットを早速つくてみた。火曜日にお願いしていたものが、今日(土曜日)の夕方に着いた。
SDR単体の受信範囲はおおよそ50~1000MHzぐらい。HF帯が受信できない。HF帯を聞くことができるようにするには、R820Tを飛ばして、RTL2832Uに直接入力するか、コンバータを外部に付加するか、どちらかだ。

素敵なキットを見つけた。好意で1セット分けてもらった。TT@北海道さんのサイトである。シンプルにDBMと100MHzの発振器でできている。サイトの内容もVNAであったり、クオリティが高い。面白そうなことをされている。
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早速組み立てたのだが、CRのチップサイズがあまりにも小さい。極めつけはLED。アナログテスターで極性を調べて実装した。手付けのチップはこのサイズが限界であろう。携帯電話機をバラしてみるとさらに小さなチップ部品が使ってある。これは手では付けられない。これは、私のように老眼でなくても無理だ。
このキットも、結構辛かった。3216サイズならば楽なんだけど、CRは手にはいらないのかもしれない。

とりあえず、ドングルに接続してAM放送を聞いてみた。スプリアスも幾つか見られる。原理的に仕方がないものもある。この辺りはもう少し良く見てみよう。
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Sdr_594am


こちらは、コンバータを使用しないで聴いている。
Sdr_795fm

とにかく、ドングル単体とコンバータで聴くことができる所まで来た。さあ、これを何に使おうか、面白いおもちゃだ。

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2012/04/22

複同調ストレートラジオ2

バラックなのだが、一応まとめてみた。回路は前に描いたモノと同じである。NJM386Dのアンプを同じ基板に組み込んだ。
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ミニコンポの高効率のSPを切り替えて、音の聞き比べをしてみた。2球スーパー2号機である。IFTの帯域を広げてあるので、高域も良く出ている。
NHK第2でJAZZが掛かっている時に聞き比べてみた。高域も同じように再生され音の違いがわからない。TRラジオと比べると、ストレートラジオの方が高域が出ている。SPが違うので厳密な比較になっていないが。

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2012/04/21

複同調ストレートラジオ

以前から複同調によるストレートラジオができないものかと考えていた。シンプルだし、音もいい。しかし、放送局が混信してしまい上手く分離できないことが多い。私の住んでいる杉戸町では、信号が強力な順で、文化放送(1134KHz)、NHK第2(693KHz)、NHK第1(594KHz)、TBS(954KHz)、ニッポン放送が受信できる。
AFN(810KHz)やラジオ日本(1422KHz)は普通のラジオでは受信できない。もっとも、TS950SDX+7MHz GPやSONYの通勤用のポケットラジオなら聴くことができる。
文化放送が夜になると強力に入ってくるので、普通のゲルマラジオでは分離できずに混信してしまう。そこで、複同調を考えていた。
とりあえず、基礎実験から。NHK第1(594KHz)を想定すると、かなり良い選択度が得られる。
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文化放送(1134KHz)想定。上の周波数になると分離が甘くなってくる。結合のCが密に利いてくるのだろうか。Cを小さくすれば良いだろう。(径0.4の単線を3.5cm分よじってある)
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VC1とVC2を離調させると、こんな感じになる。スペアナ+TGで見ると一目瞭然なのだが、実際に音で聴いて調整すると結構難しい。
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コイル周りの様子。
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バラック状態。実はRFampの後にUTC7642(LMF-501T相当)を接続して実験していた。ゲイン過剰で歪み&分離が悪くなった。回り込みが相当あり、菖蒲のNHK第2(693KHz)などが混信してくる。こいつは、LM386のampにも、単体で良く混信してくる。入力に100pFぐらいを入れて、落とすほどだ。基板にはUTC7642が実装されている。
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今日のところのまとめである。最終の回路ではないので、注意して欲しい。
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検波のダイオードは安価なSW用を使った。バイアスを掛けることでゲルマニュームダイオードと同じように使える。
RFampのドレイン側の負荷抵抗はほぼ中点ぐらいになるように調整した。Id=0.5mAぐらい。
文化放送をきちんとチューニングすると、ドレインのスイングですでにサチってしまう。しかし、音を聞いている分にはさほどわからないが、離調させて弱くするとサチらなくなる。

VCの同調はちょっとコツが必要だ。分離は問題なく5局がきちんと分離して、いい音で聴くことができた。帯域を制限するものがないので素直な音で聞こえる。

【参考にしたサイト】
ラジオで学ぶ電子回路藤平 雄二氏


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2012/04/14

6石TRラジオキット4

音質は良いのだが音量が足りない。ずーっと気になっていた。電源電圧の3Vがネックになっている。ちょっとルール?違反だがICを使って解決することにした。
3Vで動作して、BTL接続も可能なNJM2073Dを選んだ。秋月で2個150円と安価でもある。
苦手なブレッドボードを使ってバラックで組み立てて試してみる。以外と難しく発振が取れなかったり苦労する。
このICは2ch入っているので、ステレオも可能だし、BTL接続することもできる。何せ電源電圧が3Vしかないので、BTL接続は魅力だ。
しかし、結果はシングルで使うことにした。
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出力には0.1uF+10Ωが入れてある。発振防止である。これは定番の発振止めであるが、LM386等では経験していなかったので入れたことがなかった。今回は見事に発振した。
なかなか、撮影できなかった。音が入ると振幅の大きい側(+側)で発振する。AM変調のように包らく線が見える。
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ラジオを聞いているときの波形だがシャッタースピードが1/60ぐらいなので、波形が重なってしまい何を撮っているかわからなくなってしまった。デジタルストレージのオシロでもないと見ることができない。ラジオの音声ではなく、シングルトーンならば、このオシロでも撮れたかも知れない。
0.1uF+10Ωを入れるとピタリと止まる。発振は1MHz前後であったのでラジオを聞いているとビートが入ったりする。不安定なラジオに良くある現象だ。

実装は入力トランスの跡地があるので何とかなるが、シングルでこれだからBTL接続だと結構きつい。
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ケミコンの高さが8mmの小型品を使った。ジャンクの基板から外して再利用だ。

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LEDは緑色に換えた。オリジナルの赤色では、赤のケースに赤だとわかりにくいからだ。


BTL接続は、外部スピーカーにミニコンポの物を使うと大音量が得られて良いのだが、オリジナルの内蔵スピーカでは大入力を入れても歪みっぽくなるだけだった。また、発振にも悩まされた。音質には影響ないが1MHzぐらいの発振があった。これにより受信中にビート音が混入したり不安定になる。これらのことからシングルで使うことにした。
また、イヤホンを挿すとヒスのイズが聞こえる。ゲインの40dBほどあるのでNFBをもう少し掛けたかったが、これも不安定になる要素のようだった。ゲインを絞るため、入力抵抗を1KΩと低くして、10KΩを付けてゲイン調整をした。
ヒスノイズには有効ではないのだが・・。イヤホンには100Ωぐらいを直列に挿入するとヒスノイズ&音量もちょうど良くなる。ただし、このイヤホンジャックではできない。100Ω入れるとイヤホンでもすごく良い音で聴くことができた。IF増幅の段数が少ない分、帯域が広いようだ。

取り外したドライバートランスのコアをよく見るとフェライト製の様だった。フェライトのオーディオトランスはインダクタンスが容易に稼げるのでフラットな周波数特性や低ロスのトランスができる。その反面、直流を流すと、いっぺんに磁化されて、インダクタンスが激減する。ロスが増加してしまう。低域ほどインダクタンス低下の影響を受ける。
正に今回遭遇した事象だ。元々は珪素鋼板などであったのかもしれない。部品変更により、特性に影響があることを知らずに変更してしまったのかも知れない。これも良くある話だが、気を付けて欲しい物だ。

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