電子工作 430MHzトランスバーター

2015/10/19

402MHz PLL Local OSC (MB1501) 2

400MHz帯の増幅器は難しい。トランジスターでアンプを組んでみたが、精々6dBぐらいしか増幅しない。適当にバイアスを掛けて、コレクター側にタンクコイルを付けて、適当にタップを設ける。これでは中々うまくいかない。

ということで、出来合いの物に頼ることにした。チップはuPC2709でサイズが米粒ほどの大きさで、チョークコイルをつけて、5Vでも+10dBm程も取ることができる。
サイズが小さいので、苦手だがパターンを起こすことにした。データブックにあるような薄手のポリイミド基板は手にはいらないので、CEM3(コンポジット材)の両面基板を使った。誘電率は不明だが、50オームを幅2.5mmと想定してパターンを書いてみた。

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上の基板は、失敗した1石のアンプ。予備の基板もエッチングしておいた。

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Dscf0634
0~2GHzまでの特性だ。400MHzでは23dBのゲインを得る。データシート通りのゲインだ。1GHz以上はちょっと怪しい。ここを使うならばもう少し詰める必要があろう。
また、入力をオープンにすると発振する。入力が安定でないならば3dBぐらいのPADを入れる必要がある。
しかし、簡単にゲインが得られるのは助かる。
PLLの出力をDBMに入れられる程度までアンプして、やってみようと思う。

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Dscf0632


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2015/10/13

402MHz PLL Local OSC (MB1501)

PLL用のICをいただいた。富士通製のMB1501という、VCO以外はオールインワンのチップだ。PLLを作るのは初めて。DDSを使った7MHzトランシーバのLOにでもと、16MHz帯を設定するカウンター値の計算してみたが、10KHzのリファレンス周波数ではAカウンターの制約で思うような可変範囲が得られないことがわかった。7.25MHz以上が設定できない。

中々、制約が多いなと思いっていたところ、この石は元々もっと高い周波数を作るための石だから、低い周波数では制約がある、と教えていただいた。パルス・スワローカウンターは高い周波数において、自由に周波数を作り出すために生まれた技術だ。

ということで、以前から仕掛り中の430MHzトランスバーター用のLO用に、402MHzを作るPLLをやってみることにした。
問題はこんな高い周波数のVCOをどうやって作るかだ。参考になる回路がないかと探したところ、JA4LAOさんのサイトを参考にさせていただいた。使用している半導体類は異なる。定数についても、実験をしながら決めていった。最適値であるかは、かなり疑問だが。
PLLのフィルターは「高周波回路の設計・製作」鈴木憲次著を参考にした。

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性能を評価するには、このスペアナではチープ過ぎる。周波数安定度が良くない。Aカウンターの値を変えることで、10KHzごとの信号を作ることが確認できた。
コイルに手を近づけると、バリキャップの電圧が変化して、周波数を維持しようと頑張る。それを過ぎると、ロックが外れる。バリキャップは10pFがシリーズに入っているので、電圧感度が抑えられている。せいぜい、2~3MHzの可変幅だろう。

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制御に使用したArduinoのスケッチを置いておく。シリアルのデータを送信するだけの簡単なもの。
「MB1501_PLL.ino」をダウンロード

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2010/07/04

430MHz トランスバーター(その8)分波器

一応、LOが出来たので、次に進む。RXかなあ。とりあえず、LOをRX/TXに分配する回路の実験である。「トロ活」を参考にした。
Dscf0405
この接続は、アイソレーションを測定しているときのものだ。サムポートを25オームで終端している。

アイソレーション ~1GHz
Dscf0401

アイソレーション ~100MHz
Dscf0402

ロス特性。サムポートは強引に50オームを直接つないで見た。(4.75dBのロス)
Dscf0400

結局、MIXのDBMへ接続する前にもう1段ampを入れることにした。このハイブリッドとあいまって、RX/TXともampを入れることでさらにアイソレーションが高まる。その反面、ampだらけになってしまったが・・・・

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2010/07/03

430MHz トランスバーター(その7)

回路図を描いたのでUPします。

430_trv_lo


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2010/06/27

430MHz トランスバーター(その6)

やっと、局発ができた。
先週の初めにサトー電気に水晶を頼んでおいた。3日程で届いた。水晶のほかにプリスケーラ、74HC4046 PLL、ダイレクトコンバージョン受信機のVXCO 7.03MHzの水晶などなど、まとめて購入した。
Dscf0390

これは、割と簡単に出来た。回路は「アマチュアのVUHF技術」P.112を参考にした。50.25MHzの3倍オーバートン水晶でいきなり2てい倍し100.5MHzを取り出す。
エミッタのLは10Kボビンに4T+4T+2T(0.57~1.09uH)とした。タンクLは10K2T+2T,15pF,リンク1Tとした。
周波数調整用にE-GND間の50pFを45pFのトリマー。
Vcc=8.39V。5Vの3端子REGにLED2個の下駄を履かせて電圧を持ち上げた。

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102MHzの出力は+7.4dBmを得た。(Vcc=8.39V) 9Vでは+8.85dBmを得られる。
次段は+3dBmあればよいのでちょっとオーバドライブになる。(3dB Padを入れるがこれではちょっと、ドライブしきれなくなる。変則的だが10+150+10オームの10オームを1個だけはずした。)
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単体のスプリアス。
Dscf0386
あまりよくない。
ダブルチューンを試みたが、何故だかレベルが取れない。BPFがうまく出来ない。
あきらめて、この状態で100M→200Mのダブラーに突っ込んだ。

後段のフィルターが良く効いていて、結構いい感じ。
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外観をご覧ください。
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2010/06/20

430MHz トランスバーター(その5)

さて、今日も続きである。
■まずは、200MHz帯のBPF特性の確認である。
測定の様子。
Dscf0371

特性は、
通過ロス1.42dB
このときのカップリングは2pF。双峰気味の点にセットしている。臨界点を超えると急にロスが増えるので、ちょっと密結合気味の点である。
Dscf0370


外観を別の角度から
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■さて、何とか落ち着いたので、次は100MHz→200MHzの基板を作る。個々のパーツのアースをベース基板に直接接続すると、回路レイアウト変更に対応しづらいのでアース部分(ちょっと大きめのランド)を設けることにした。
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■100MHzx2ダブラー
入力トランスFB101 2T RE=10Ohm Rb-GND=470Ohm Rb-Vcc=10KOhm
Trは2SC3110 ft=4.5GHz
Out RFC=330Ohm+10T
入力、パスコンは0.015uFチップ、10uFケミコン

結果は
100MHz入力0dBm時に出力200MHzは0dBm。このとき、Ic=8.48mA@Vcc=12V
Dscf0374

■実はこのダブラーもてこずった。
まずは、半田付けがうまくいかない。出力を見ると基本波と3倍波が結構出ていた。
おかしい?よく調べてみると片方のTrの半田付けがうまくいっていない。チップ部品でかつ1個は対称形にするために逆向きにしてある。半田付け性がよくない。良く見えないので結構苦労した。

次は、
先ほどのように単体データをとった後にBPFを接続したとたん、猛烈に発振してTrを飛ばしてしまった。
てい倍周波数に対してftが高すぎたようだ。
Trを変更。2SC2668 ft=550MHzである。これはチップではない、リードタイプなので簡単に付けられる。
特性を取ってみると、先ほどとあまり変わらない。広域の高調波がftの影響か若干低い。
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■単体のダブラーにBPFを付けてみる。
実にきれいだ。高調波が見えないのでRBWを狭めて、スキャンしてみた。
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このときのバラックの様子だ。
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■単体をベース基板に組み込んでみた。
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真上から
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特性は、100MHz入力を+3dBm時に400MHz出力は+9.0dBm @12V
このとき100MHzダブラーは16.14mA
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2倍高調波は
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やっと、できた。
あとは水晶発振回路のみである。


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2010/06/19

430MHz トランスバーター(その4)

ど壺にハマッタ原因がわかった。
入力のパターンで半田ブリッジである。
Dscf0357

最近、チップ部品は苦手である。よく見えないから。秋月にあったレンズ 20~50円のをいくつか買った。片側が平らのが中々いい。チップを見るのに良いレンズがないかと探している。100円ショップのは、外形が大きくても良く見えない。レンズが勝負だから。


その後も、うまくいかないことがしばしば。
もう一度、立ち返って作ってみた。

■広域アンプ
2SC3110 RE=100オーム R(B-GND)=2.2Kオーム R(B-Vcc)=10Kオーム Vcc=12V 出力トランスFB101に2T 1:4 TG出力は-20dBm(以下同じ)
広帯域とはいえないが400MHzで16dBmの利得がある。
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■Vcc=9Vの時(他は同上)2重表示は上の線が12V時、下が9V時
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■出力トランスFB101 2T 1:9 Vcc=12V(上の線は1:4トランス、12V時、以下同じ)
低域ではゲインが上回っているが、それ以降は1:4の方が利得が高い。
トランジスターのftに依存しており、広帯域アンプとはなっていないが、以下の実験のとおりそこそこ発振もせず使いやすい。
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■出力をRFC 330Ohm+10T
何のことはない、400MHzではほぼ同じゲイン。-5.87dBm at-20dBm入力時
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■出力を7Kボビン相当1T+1pF リンク1T
共振もうまく出ないし、出力も取れない。
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■広帯域アンプの実験基板
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■元の基板に戻って再確認。定数は同じだがTrは2SC4083他は同じ。Vcc=12V時、Ic=12.9mA
バンドパスフィルターが良く効いている。
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■広帯域アンプの入力(ダブラーの出力)に付けるフィルターを単体で試験した。
トリマーは秋月の20pF 0.8径くらいのメッキ線40mmほど。タップは適当。あまりシビアではない。
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その特性
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■ここまでの全景
200MHz入力のダブラー+400MHzストレートアンプ+BPF
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■特性
入力200.75MHz -3dBm
出力401.5MHz +0.4dBm
第2高調波は 約-52dB

このときアクティブダブラーIc=4.45mA@12V
Dscf0369


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2010/06/13

430MHz トランスバーター(その3)

2てい倍器だけだと、レベルが足りないので悩んだあげくストレートアンプを1段入れることにした。最初はMMICも考えたが+10dBm程度を簡単に出すやつが手元にない。広帯域ampが400MHz帯まで伸びるか心配だったが、1:4の高域トランスを使ったアンプとした。「トロ活」P.133第2-1図(左)の回路である。トランスはフェライトビーズに2T。トランジスターは2SC4083(ローム)ft=3.2GHzIc=50mAのものである。20年近く前にサンプルでもらったのがあった。
400MHz帯では利得が下がってくるが11dB位は確保できた。
BPFを通しても、0dBmの入力で+9.8dBmの出力が得られた。この辺までがリニアリティーの限度のようだ。
+5dBmで+12.6dBmを得た。(Vcc=9V)
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ちなみに、基板?、ランドの作り方は、アクリルカッターで溝を切る。意外と簡単だ。
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うムッム!!
ダブラーの基板を移設したらうまく動かない。ど壺ににはまった!
今日はここまで。


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430MHz トランスバーター(その2)

とりあえず、出来たのでベタアースの基板に組みなおす。
スプリアスの改善と、出力レベルのアップが目標だ。
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出力のBPFをシールドで囲んでみた。銅板に見えるのは、0.5mm厚?の両面基板である。秋月で売っているやつだ。銅板よりも腰があって使いやすい。ただし、裏と表が絶縁されているので、その考慮が必要だ、とりあえず、両面ともアースした。

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コイルは1.2mm径のエナメル線のエナメルを剥がして使った。メッキ線がなかったので。長さは44mm。適当に巻いても目的の周波数に簡単に追い込むことができる。TG付スペアナの威力だ。
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1.5GHz以上が抜けるところがある。理由はわからないが、2次、3次、4次ぐらいの高調波を切るには十分だろう。
こんなものまで見えてしまう。
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スパンを狭めるとそれらしいフィルターに見える。
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少しBPF風になっている。もう少し、結合のCを小さくすると単峰にすることができる。局発は固定周波数なので単峰でも問題ないはずだが、気休めで幅があったほうがずれに強くなる。
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通過ロスを測る。測定系のロスをノーマライズを掛けてキャンセルする。TGの出力は-10dBmなので、0.9dBのロスということになる。意外と少ない。
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緑と黒のリード線が結合用コンデンサーである。たぶん、0.5~1pF程度のはずである。
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次に2てい倍器である。2トランジスターのダブラーだ。JF1OZLさんのHPにもあったし、「トロ活」にも記載がある。
トロ活の方がバイアスが掛けてありB級動作で、低レベルで感度が高い。前段のレベルを考えると、バイアスを掛けたほうが有利だ。ただし、最大出力はいずれも+3dBm程度だ。レベル的には足りない。
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430MHzトランスバーター(その1)

もう10年以上前に430MHzのトランスバータを作ろうと思い、局発を作ったことがある。
それを取り出して、スペアナで調整をしてみた。
Dscf0355
これはかなり手直しして、一応402MHzが出るように調整した。
50.202MHzx2x2x2=401.16MHz 50.25MHzの水晶を持っていなかったので、手持ちの水晶を使って、実験している。
そのうち、購入するつもりだ。この基板で、問題なのは出力レベルが足りない。0dBmにも満たない。それと、スプリアスの多さ。

出力のBPFを見直してみた。C結合の様子である。
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よじってあるリード線で調整する。容量にすると0.5~1pFぐらいである。Cメータで測ることが出来る。
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結合が密すぎると中心周波数でレベルが下がる(割れてくる)

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