電話線(0.5mm径、PVCツイストペアケーブル)はアンテナ接続の伝送路として使えるか?
ちょっと、お遊びをして見た。釣り竿でダイポールアンテナを展開しようとすると、同軸ケーブルが重くて垂れ下がってしまう。1.5D2Vでも使えば良いが、長いのを買うとなるとそれなりの金額が必要となる。
昔ならば300オームのTVフィーダーだが、手には入るがこれも高価だ。で、思いついたのが電話線。電話の屋内工事に使うジャンパー線だ。
これもジャンク品で100m余りを100円で手に入れた。
その昔、仕事で電話用の多対の屋内ケーブルでデータ伝送する実験をしていた。1マイクロ秒ぐらいのパルスを通すのだが、ケーブルの特性インピーダンスが分からない。そこでやったのがパルスジェネレータでインパルスのような短い波形を入力させる。200mあまり先の遠端に可変抵抗器をつけておいて、送信端に反射が戻ってこないように抵抗値を調整する。その時得た抵抗値は100オーム前後。反射がなくなるところが、ケーブルの特性インピーダンスになる。
この時は1マイクロ秒=1MHzぐらい。ケーブル自体はもっと上まで伸びているが、果たして無線で使う7MHzで使えるかは疑問だ。
ペアケーブルは平衡線でそのバランスは、単体では80dBを越える。原理的には、よじってあるので外部からの雑音も相殺して乗らない。また、ケーブルの信号も外部には放射しないというのが原理になる。これを無線周波数帯に使う実例を見たことがないので、何らかの制限があるに違いない。であるが、あえて使って見た。といっても、単体の特性を取っただけだけれども。。。
ケーブルはこれ。
7Mhz帯用のツイストペアケーブルの長さは、14m程。この長さが、肝?になる。
下の写真は、ケーブルの両端にソータバランを挿入してみた。
見事に高域の特性の暴れがなくなって、素直な特性になっている。
線路は平衡系、測定器は不平衡。NNjさんからのご指摘をいただいた。
高域は綺麗になったものの、残念ながら7MHz帯の通過ロスはほぼ変化がない。
ケーブルの特性インピーダンスは50オームではないから、50オームで終端したときの入力端のインピーダンスは周波数特性を示す。波長ごとに波を打つのが分かる。適当な長さで特性を測り、そこから逆算して、7MHz帯で50オームに対してマッチングが取れるように調整した。この時の長さが、約14mになる。(リターンロス:画像の青の表示)
これと連動するように、通過ロスも低減する。(通過減衰量:黄色の表示)
これで、7MHz用の給電線の出来上がり!
同様に下の写真は、ケーブルの両端にソータバランを挿入してみた。
TG付のスペアナでもう少し分解能よく、データを取って見た。14m長のケーブルで、通過損失が約1.0dB。ちょっと、多い気もするが、これならば、なんちゃってアンテナの給電線として使えるのではないだろうか。ケーブルを手にもって、色々動かしても、特性に変化はない。これを実際のアンテナに試して見たい。どなたか、追試されたし。
【2024/1/31追記】================
FPさんからコメントをいただいて、追試をして見た。
ケーブルの特性インピーダンスを測定する方法として終端抵抗を可変して、周波数帯域の全域でリターンロスがフラットとなる終端抵抗値を求める。これが、ケーブルの特性インピーダンスとなる、という測定方法。原理は前述のインパルスを入れて反射が小さくなる点を求めるのと同じ原理だ。
このように39オームにした時にフラットにはなるが、この時のリターンロスは7dBしか取れない。原因は何だろうか???
14m長のツイストペアケーブルで、7MHz帯で最良となる終端抵抗値を求めてみた。この時、リターンロスは30dBを越える。ケーブルの分布容量?や、諸々を含め7MHzで50オームに近くなったということのようだ。
これらの事象をどう見るのか?
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