短縮Vダイポールアンテナを試して見る
先日、JA6IRK/1岩永さんからお借りしている短縮Vダイポールアンテナの試作品を試して見た。このアンテナはSOTAなどリュックサックにアンテナを入れて移動運用をすることをターゲットに開発されている。固定で使うには少し物足りないかもしれないが、回転半径約1m(エレメント長1.5m)の実力はということに興味を惹かれて試して見た。
設置環境は2階のベランダにグラスポールで3mぐらい持ち上げた。給電点が屋根の少し上に出るぐらい、地上高で7mぐらいだと思う。この屋根には、屋根馬で7MHzリニアローディングダイポールアンテナ、ショートブームの3エレトライバンダーが乗っている。このアンテナとSWで切替て、Vダイポールアンテナを比較してみた。地上高も違うし、形式も違うから正しい比較はできないが、これらのアンテナは普段から使いこなしているので、Vダイポールアンテナがどの程度使えるか、肌感覚としてよくわかると思う。
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試作品のキットの全容。これはフルセットだが、自分のお気に入りのバンドのコイルとマッチングコンデンサーを購入して使うことを想定している。アルミパイプの主エレメントは30cm程度の物を2本つなぐ。これだと、楽にザックの中に入る。これ2本と先端のロッドアンテナをつなぐと、片側1.5mとなり、50MHzのフルサイズダイポールになる。
耐電力は20W。内蔵のバランと短縮コイルの発熱による制限とのこと。移動で使うFT-818やIC-705ならせいぜい10Wだから問題はない。
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実際に使用してみた。
7MHzは21時ごろから、ちょっと時間が遅すぎたか。BYと数局交信できた。こちらは10W。感覚的にはリニアローディングダイポールとの差は-6dB程度か。地上高の差もあるので、あくまで感覚だが。実際に交信すると相手とは15~20dBの差がある。パワーの差が10dBはあるから妥当なところ。200Wで運用しても10dBの差はざらだから、こんな物だろう。片側1.5m程度のエレメント長で上出来だ。本当の所、使い物になるか半信半疑だったが、意外と使えるなぁ、というのが正直な感想だ。ベランダにちょこっと出せばいいし、目立たないのが良い。これなら、移動だけではなく、アパマンでもバンドを覗くには最適だと思う。
比較試験は、毎シーケンスごとにアンテナを切り替える。コンディションによる変動が大きいが、大雑把に見て6dB程度の差だと思う。
試験した時間が遅かったのか、Wには拾ってもらえなかった。BYが数局とVR2と交信ができた。
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翌日の朝、21MHzを試して見た。こちらも、時間はちょっと遅めの8時頃。
JAとYBと交信が出来た。やはりこちらは10W。Wは時間が遅すぎたか、わずかにビックガンに捕捉されただけ。こちらは、コンディション頼みなので、開ければ問題なくできるはずだ。
ここでも、感覚的には、3エレトライバンダーとは6dBぐらいの差か。パワーの差もあって、0dBかプラスの局でないと中々拾ってもらえない。このバンドもDXは100W以上の局がほとんどだから。ただ、このバンドは開けさえすれば、飛ぶはず。IRKさんは南米ともできている。
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最後に、バンドの帯域特性を残しておく。あくまで、私の設置環境だし、アンテナも試作品だ。特に記載が無いものは、ロッドアンテナを最長に伸ばした状態だ。
14MHz、写真を撮り忘れましたが、バンド内に共振点があります。
18MHzは先端を両端1cmずつ短くして、共振点をバンド内に入れた。
21MHzは先端を両端2.5cmずつ短くして、共振点をバンド内に入れた。
24MHzは残念ながら、バンド外。エレメント長が2cm程足りない。コイルをもう1ターン巻くと短くなりすぎるんだろうな。こうなっても、ロッドアンテナ長さを調整すれば大丈夫なはず。
こちらは、フルサイズなので帯域は広い。
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正直、どこまで使えるか、半信半疑だったが、このくらい使えれば十分楽しめると思う。このアンテナに限らないが、自分の環境やパワーを認識したうえで、トライしてみると楽しい。HFのDXのディジタルはハイパワーの局も多いのも事実で、相手の受信能力?を試すのも楽しいかも。
JA6IRK/1岩永さんのVダイポールのサイトは、こちら。
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