こんなものがあるって、知らなかった。オーディオマニアの間では以前から使われていたようだ。高性能DACをPCのノイズから分離させるために使う。
これをどこで知ったかと言うと、秋月の新製品のページ。「USBデジタルアイソレーター」。名前を聞いてもピンとこない。データシートを見てみるとこれは面白い。シリコンウエハ上にトランスを形成するという。アナデバがもつ、iCoupler技術というものらしい。これを使った製品物もいくつかある。i2cのインタフェースとかもあり、何かに使えそう。

最近のRigにはUSBケーブルを直結することで、CW送信やRigコントロールができてしまう。そして、USBオーディオまで組み込まれているので、最近はやりのFT-8もマイクジャックにPCからつなぎこむ必要がない。USBケーブル1本で済んでしまう。
ところが、私のFT-991だけではないと思うが結構使いづらい。送信の電波が回り込んで、RigのUSBスレーブ側が死んでしまったり、PC側のドライバーが認識しなくなったり、リセットを繰り返す。仕方がないので、フェライトコアの登場となる。

このコアは万能で、電波の回り込みインターフェアにはよく効く。お呪いのようなものだ。ただし、こんなでかいものを入れても完ぺきではない。この木目に見えている机は、実は鉄製。屋根に上げたアンテナの影響をもろに受けている。ヘッドセットの音声が回り込んだり、悪さをしている。このコアを入れてFT-8やCTESTWINでRigコントロールをしていると、頻度は低いもののたまにリセットして焦る。
で、何とかならないのもかとUSBアイソレータを使ってみた。秋月でICを買ってきて組み立てても回路的にはシンプルなのでそれほど難しくはない。しかし、オーディオでもニーズがあるならば中華製のモジュールが無いかと探してみるとやっぱりあった。電源も載っていてこの価格ならリーズナブルだ。

先日頼んでおいたものが、2週間ほどで無事届いた。早速PCにつけて、FT-8に出てみた。今のところ、コアを入れなくてもリセットすることはない。何ともスマートだ。

これには絶縁型電源も載っていて、スイッチをONすることでスレーブ側に電源を供給することができる。マウスなどをつなぐときは、ONしないと使えない。FT-991の場合はRig側から電源供給がされるようで、このスイッチをONする必要はない。オーディオで高品位の信号を得るには、この絶縁型電源ではなく、ローカルから高品位電源をつなぐ必要があろう。電源が発生させるノイズも吟味がいる。
PCとRigが直流的に接続されていると、ループができて色々と悪さをする。今回のように高周波が回り込んで、誤動作をしたりする。私の場合、CWのインタフェースもフォトカプラで直流カットをしているし、CQマシーンとして使う回路はトランスで直流カットしてる。こうすることで、動作が安定になり、ノイズの混入もない。グランド側にループができるとろくなことはない。USBもこれができるこのICは素晴らしい。と、思うのは私だけか??
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