JP-60組立 AFアンプの安定化のヒント【追記】
NJM386を使ったAFアンプ周りが不安定で発振することがある。通常の音量であれば問題ないレベルだと思うが、さらに安定化するための実験を行った。
回路的には386で46dBとその前段のQ20によるアンプがあるのでかなりの高ゲインになっている。事象からスピーカー(負荷)を接続しない場合は、ボリュームを上げていっても発振することはない。
負荷が接続され、ノイズ等の信号を増幅すると386に電流が流れ込み、コモンインピーダンスによって前段(多分Q20あたり)に帰還することで発振すると当たりをつけた。
386の電源プラスラインを見ると独立していて、Q20のラインと共通インピーダンスを持つところはない。となると、グランド側だ。パターンを切った貼ったして調べるのが常道だが、借用している基板なので荒っぽいこともできない。
ならば、ということで簡単にワニ口クリップ付きのジャンパー線を使って試してみた。
基板への電源供給のラインを変えてみた。
通常は写真の赤丸のところへプラスとマイナスの12Vを供給する。ここで、マイナス側だけをワニ口のついたリード線で黄色の丸のスピーカー側のグランドへ接続する。これで、発振する限界点が上がる。
さらに、私の試験環境では2系統の出力を持つ電源で、本体側とは別系統でVXO側に12Vを供給している。(マイナス側は本体側と共通だ)このVXO側のマイナスを外す。写真のオレンジの丸。これで、発振余裕度がかなり上がる。ノイズで大音量になるため、ボリューム最大までは上げることができなかったが、かなり良くなる。
ケースに組み込む場合も同様にすれば、かなり改善されるはずだ。
ただし、簡単ではないのが、RFのコネクターとかどうしてもケースに接続が必要な部分も出てくる。これで、アース周りの電流の流れが変わる。しかし、弱そうな箇所はAFアンプ周りのグランドなので、解決策が見えてくると思う。個別に対応するしかない。
パターンをいじれば良いのかもしれないが、切った貼ったの大手術になりそうだ。完全な解決策にはなっていないが、課題解決のヒントにはなっていると思う。
【追記2016/4/26】===========================================
朝の通勤電車の中で、ハタと思いついた。
コモンインピーダンスは電源のグランド側で発生している。上記の対策はそのグランドの電流経路を変えて対策を取る案だ。
気がついたのは、電源経路はそのままで、負荷(スピーカーライン)のリターン(電源への戻り)をプリント基板のアースパターンではなく、直接リード線で戻してやれば、コモンインピーダンスによる帰還は防げるはずだということだ。
早速やってみた。
赤丸のところは、12Vの給電点だ。ここは、プラスとマイナスを接続しておく(想定通りの配線)。青のスピーカーのグランド側を赤丸のグランドに直接接続する。これで、Q20との共通インピーダンスを無くす。
黄色のVXOの配線はグランド側を接続しても、しなくてもAFアンプの発振とは無関係だ。
効果の程は、先の電源分離と同じだ。今回のAFアンプの発振とは関係ない話だが、ボリュームを上げていくと、NHK第1、第2のラジオ放送が混入し始める。当地は菖蒲(久喜)の送信所から10Km程しか離れていない。この現象は、当地ではよく経験するところだ。
今回の方式のほうが、送信系の電源経路が変更とならない分、リスクが小さいと思う。スピーカーのアースの取る位置を変えるだけだから。こちらの方がおすすめだ。
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