DSP FM Radio EN803 その2
感度がイマイチだ。会社の行帰りを使ってフィールドトライアルを行ってみた。aitendoオリジナルの回路よりはずいぶんと感度upしているが、まだ十分ではない。2階の工作室?で実験していると東京FMが受信できる。色々やってみると、受信できる時よりも受信できない方が多い。受信できないというのはサーチで引っかからない状態だ。キャッチできれば、ノイズ混じりで受信できるものの、以前作ったBK1088に比べると、まだまだ劣る。
また、電車の中で使うと全く受信できない。元々FM放送は入りにくい。電車の箱が電波を遮断するのと、インバータ制御のモータ雑音によりマスクされてしまうことが原因だ。
色々突っついてみて改善したのが、ANTコイルの同調点だ。オリジナル回路は0.1uH+18pFで120MHz付近の共振になっている(計算値)。私の作では、0.1uH相当+20pFで実測値約100MHzであった。20pFを39pFに変更することで、約80MHzの共振点に下げた。この効果は絶大で、感度がかなりアップした。やはりきちんとチューンする必要がある。
もう一つ、イヤフォンコードANTの反対側だ。高周波的に戻り先がアースされていることによりANT効果が落ちているのではないかと考えた。オリジナル回路ではフェライトビーズにより、インピーダンスを持ち上げている。ここでは積極的にインダクター47uHを挿入してみた。効果は若干改善される程度で、正しい評価が難しい。ないよりは良いだろうということで挿入してある。
さらに外付けXtalにしてみた。内蔵のRC相当の発振器よりはマシだと思って32.768KHzの水晶にしてみたが、何が良くなるのか体感できていない。温度特性なのか、限界感度なのか、何らしかの効能があるとは思うのだが、よくわからない。取り敢えず付けたままにしてある。
これで、通勤電車でやってみると全く受信できなかったものがノイズ混じりではあるが受信できるようになった。かなり実用域に近づいた。
感度改善ではないが、もう一つ気になっていた点がある。電源SWだ。電源を入れるたびに、選局と音量調整が初期化されて、やり直さないといけない。これではラジオとしてかなり使いづらい。音量が中から始まるため、ON時にかなり大きな雑音を聴くことになり、びっくりして慌てて音量を下げることになる。何ともイケていない。
同じaitendoのRTC6215Nを見ていて、この石でもPWT端子を制御することで、選局と音量の最終値を保持してパワーダウンモードに移行するのではないかと気づいた。早速やってみると、予想が的中した。うまく保持してくれる。同じところから再開する。ちょっと気になるのはON時にPLLがロックするまで時間がかかるのか、ノイズが発生すること。品位がないが仕方がない。これで、使い勝手はかなり向上する。
ちなみにPD時の消費電流は60uAぐらい(ON時は20mA)。このくらいなら我慢できる。PD時はXtalの発振も停止している。
改造後の回路図「EN803_sch_Rev2.xps」をダウンロード
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