スペアナR3361Aの周波数安定度(解決!) その3
電解コンデンサーの液漏れは、想像以上にたちが悪い。
このページ「電解コンデンサーの寿命と液漏れ」に詳しく書いてある。また、電解液を作っているメーカのページでもこんなことが書かれている。
これを見ると、電気分解により、強アルカリの液体になっていくことがわかる。これでは、銅でできている、ピンヘッダーやパターンはひとたまりもない。90年台の機器はみんなこれにやられているのだろう。この時期のジャン測はみんな同じかもしれない。早めの、予防交換が必要だ。
三洋化成の資料は、こちら。
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さて、これで正常に波形が出るようになったのだが、まだ、なにかおかしい。
以前のブログの波形となにか違う。(これは、「スペアナR3361Aの周波数安定度(解決!)」の波形)
すそのが広がってノイズっぽい。CNが悪化したようにみえる。(写真を撮り忘れました・・・・)
なんだろうか???
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1週間ほどおいて、ハタと気がついた。そう言えば、VRを回して電圧を調整しようと思ったが、-15V系だけ電圧が追い込めなかった。(-15.84V)だいたい合っているから、まあ、いいかと思ったのだが、実は電圧制御(サーボ系)がかかっていないのではないかと。もう一度、電源をばらしてみた。
パターン切れを疑って見てみると、C35のマイナス側のスルーホールの導通がない。この導通がないと、電圧検出の抵抗がopen状態となってしまう。この結果、電圧制御が効いていなかった。これで、-15V系がノイジーになっていたのだろう。オシロで見る限りでは判別が難しい。
この辺りを、エチルアルコールでじゃぶじゃぶと洗った。水が良いとも思ったのだが、残ると嫌だったので、アルコールにした。漏れた電解液を流してしまわないと、再発するからだ。小さなトレイで受けて、タップリとアルコールをつけて行水のように、歯ブラシでゴシゴシと洗った。
ピンヘッダーも毛細管現象で液を吸い込んだに違いない。スルーホールもかなりやられている。
-15Vだけがやられているのも、三洋化成の資料を見るとうなづける。負側が強アルカリ性になるからだ。以前、このブログにコメントをいただいた方も-15Vがやられていた。このスペアナの共通不良であろう。
これで、VRを回すことで-15Vの電圧を調整することができるようになった。
スペアナの安定度も、これで戻った。
とりあえず、おしまい。
つづきは、修理過程で分解した時の様子を紹介する。
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