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2012/04/01

6石TRラジオキット3

AFアンプの周波数特性が悪い原因がわかった。ドライバートランスの使い方もしくは部品選定不良である。このドライバートランスは、コレクター電流(直流)を流すと、極端にインダクタンスが低下するようである(想像ですが)。
VT4(9014H)トランジスターを外して、600Ω出力の発振器でドライブすると、低域も100Hzぐらいまで平気で出力できフラットな特性を示す。トランス単体で測定しても同様の結果を得ている。
つまり、コレクター電流による直流磁化により、トランスが飽和して、インダクタンスが低下し、電送損失の増加をまねいている。インダクタンスの低下は、低域ほど影響を受ける。つまり、このトランスは直流を流すことを前提として作られていないのだろう。

直流を流すチョークトランスなど、直流磁化が発生するトランスは、飽和しないようにするため、磁路にギャップを設けたりする。こうすると、磁気飽和は防げるが磁路の磁気抵抗が増してインダクタンスが上がらない。トレードオフとなる。

SW電源に使われる、トロイダル形状のコアにはギャップは設けられていない。センダストコア(NECトーキンの商品名?)などの材質は、磁性体の粉を押し固めて成形しているので、直流磁化によるインダクタンス低下が少ない。そもそも磁気抵抗が高いのだ。

話は横道にそれたが、トランスに直流が流れないようにすればよい。いくつか方法があるのだが、電源電圧が3Vと低いためやりにくい。
考えたあげく結局、一般的だがSEPP回路で逃げることにした。3Vの電源で8Ωのスピーカを駆動するのはつらい。出力が大きく取れない。バイアスを色々調整した結果である。音量的には不満であるが、こんなところが限界であろうか。音質は大幅に改善された。

Dscf0787


オリジナルの回路は、ブレッドボードラジオ
bbradioさんのサイトである。参考にさせていただいた。

オリジナル回路では、VT4のベース抵抗に4700pFのコンデンサーが入っているがこれがあると、高域で発振してしまったので削除してある。バイアスの抵抗値も調整して、私の使うTrで最適になるように調整した。
全体にゲイン不足であるが、VR最大ではクリップしてしまうため、もう一段Ampを入れることを断念した。入力の4.7KΩx2本は、入力を絞っているが、これも上げすぎると発振してしまった。

苦手ではあるが、ブレッドボードで試作をしてみた。
Dscf0782

終段のTrのエミッターに1Ωの抵抗を抱かせている。
Dscf0785

トランスを取り外し、スペースを利用している。
Dscf0786

全体が完成したところ。
Dscf0784

レイアウトは最適ではないが、既存のパターを一部流用した。
パターンの切断箇所、2カ所(赤丸で示す)。
Dscf0783_2


※センダストコアの「セン」は仙台市の「セン」であったと記憶している。東北金属(現NECトーキン)もしくは、東北大学あたりで開発されたと聞いた気がする。仙台の塵を圧縮成型してできたコアーと言うところのようだ。
※(追記)調べると、すぐわかるのがインターネットだ。センダストコア

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