6石TRラジオキット4
音質は良いのだが音量が足りない。ずーっと気になっていた。電源電圧の3Vがネックになっている。ちょっとルール?違反だがICを使って解決することにした。
3Vで動作して、BTL接続も可能なNJM2073Dを選んだ。秋月で2個150円と安価でもある。
苦手なブレッドボードを使ってバラックで組み立てて試してみる。以外と難しく発振が取れなかったり苦労する。
このICは2ch入っているので、ステレオも可能だし、BTL接続することもできる。何せ電源電圧が3Vしかないので、BTL接続は魅力だ。
しかし、結果はシングルで使うことにした。
出力には0.1uF+10Ωが入れてある。発振防止である。これは定番の発振止めであるが、LM386等では経験していなかったので入れたことがなかった。今回は見事に発振した。
なかなか、撮影できなかった。音が入ると振幅の大きい側(+側)で発振する。AM変調のように包らく線が見える。
ラジオを聞いているときの波形だがシャッタースピードが1/60ぐらいなので、波形が重なってしまい何を撮っているかわからなくなってしまった。デジタルストレージのオシロでもないと見ることができない。ラジオの音声ではなく、シングルトーンならば、このオシロでも撮れたかも知れない。
0.1uF+10Ωを入れるとピタリと止まる。発振は1MHz前後であったのでラジオを聞いているとビートが入ったりする。不安定なラジオに良くある現象だ。
実装は入力トランスの跡地があるので何とかなるが、シングルでこれだからBTL接続だと結構きつい。
ケミコンの高さが8mmの小型品を使った。ジャンクの基板から外して再利用だ。
LEDは緑色に換えた。オリジナルの赤色では、赤のケースに赤だとわかりにくいからだ。
BTL接続は、外部スピーカーにミニコンポの物を使うと大音量が得られて良いのだが、オリジナルの内蔵スピーカでは大入力を入れても歪みっぽくなるだけだった。また、発振にも悩まされた。音質には影響ないが1MHzぐらいの発振があった。これにより受信中にビート音が混入したり不安定になる。これらのことからシングルで使うことにした。
また、イヤホンを挿すとヒスのイズが聞こえる。ゲインの40dBほどあるのでNFBをもう少し掛けたかったが、これも不安定になる要素のようだった。ゲインを絞るため、入力抵抗を1KΩと低くして、10KΩを付けてゲイン調整をした。
ヒスノイズには有効ではないのだが・・。イヤホンには100Ωぐらいを直列に挿入するとヒスノイズ&音量もちょうど良くなる。ただし、このイヤホンジャックではできない。100Ω入れるとイヤホンでもすごく良い音で聴くことができた。IF増幅の段数が少ない分、帯域が広いようだ。
取り外したドライバートランスのコアをよく見るとフェライト製の様だった。フェライトのオーディオトランスはインダクタンスが容易に稼げるのでフラットな周波数特性や低ロスのトランスができる。その反面、直流を流すと、いっぺんに磁化されて、インダクタンスが激減する。ロスが増加してしまう。低域ほどインダクタンス低下の影響を受ける。
正に今回遭遇した事象だ。元々は珪素鋼板などであったのかもしれない。部品変更により、特性に影響があることを知らずに変更してしまったのかも知れない。これも良くある話だが、気を付けて欲しい物だ。
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