同軸リレーを作る
前回、信号用の汎用リレーを使って1200MHz帯の切替ができないかと試してみたが、敢え無く惨敗。430MHz辺りまでは使えそうだが1200MHzでは厳しかった。
1200MHz帯でアンテナの試験をしていると、どうしても比較試験がしたくなる。絶対値はともかく、どちらが良いかを比較し優劣をつけるのが簡単で確実だ。ただ単に強い・弱いではなくで、交信相手によったりだとか、反射の方向などパラメータは無限にありそうだ。これを一々コネクターの接続を変えて比較試験をするのは、現実的ではない。
ここで欲しくなるのが、本題の同軸リレーだ。1200MHz帯、欲を言えば2400MHz帯でも切り替えることができるスイッチが欲しい。手元での切替でもいいが、同軸ケーブルのロスを考えると、アンテナの根元で切り替えることができるのが理想だ。
本来なら市販品を購入するのだが、かなり高価のようだし、接点もののジャンクに手を出すのも躊躇してしまう。そこで自作するわけだが、何のことはない以前民生機器に使われていたであろう、基板実装タイプのリレーで実現してみた。最大で10W程度の通過電力しか得られないが通常の使用方法ではまあ事足りる。
だいぶ以前、秋月に置いてあったオムロン製のG6Yを使った。すでにディスコンだが、もっと小型の物も入手可能なようだ。
アルミのチャネルを互いに向かい合わせて、ハウジングにしている。このアルミは表面にコーティングがしてあり導通が無い。必要なところはこれを剥離する必要があり、結構手間だ。
構造もあれこれと考えたあげく、こんな構造になった。430MHz用のトグルスイッチを使った切替スイッチもアルミのチャネルを使ったが、今回はちょっと構造が違う。
マイクロストリップラインを模したパターンを最短で引き回す。N-Jコネクターのグランド側の接続が難しい。結局ハンダ付けで接続した。60Wの巨大?ごてで付けるのだが、アルミのハウジングに熱が逃げるのでこの当たりが難しい。
裏面は全面アース。スルーホールもメッキ線でつなぐが、両面基板ほどたくさん打つことができない。まあ、こんな物か。
基板に部品を実装したところ。組み立ての順番を上手くイメージしないと組み立てに苦労する。5V用のリレーを12Vで使用するために135オーム(270オームのパラ)と逆接続防止のダイオード、キックバック防止のダイオードを実装している。
ここでN-Jコネクターのアース側を半田付けで接続しておく。こて先がやっと入るスペースしかない。
どちらがON側だったか?。どちらも、ほとんど変化が無い。トータルで0.8dB程度のロスだ。リレー単体のスペックでも0.3dBはあるので、まあこんな物か。
アイソレーション特性。これも、どちらも似たような特性に仕上がっている。リレー単体では50dBほど取れるようだが、劣化している。
ついでに2400MHzのロスを読んでみた。1.8dBとやはりロスが増える。ちょっと苦しいが承知の上で使うなら使えないこともない。
リターンロス。リレー単体の特性と同じ程度だ。20dB取れているので十分だ。
さて、この週末はこんなものに時間を割いていた。小さなものだが、細々とした加工に時間がかかってしまった。アンテナの比較試験をするにも、今日は一日雨。まだしばらくは梅雨が続く。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント